4/25/2010

待ったなしになった日本企業のグローバル化!

「パナソニック、23年度は海外採用を過去最多に」


4月24日付けの産経ニュースです。 http://bit.ly/9D4vMH

この記事によるとパナソニックの23年度の採用予定者は前年度より10%増加し1,390人になるが、そのうち約8割の1,100人を海外で採用する計画だそうです。

一方それだけ海外での採用が増えたら国内での採用はどうなるのだろうかと気になるところですが、やはり国内の新卒採用予定数は前年度比約40%減の290人で、パナソニックの新卒採用が300人を切るのはオイルショック後で採用を絞った昭和51年度以来ということ。


これを見て考えることが二つ。

ひとつは、いよいよ日本企業も本格的にグローバル化を考え出したということ。なにしろ採用する人数の8割を外国人にするというのは日本の企業にしては画期的なことです。


しかし、当然その裏返しとしては、日本での採用を絞るということですから、日本人の大学生にとっては、ますます厳しい就職環境になっていくということでしょう。


果たしてこれが、これからの日本企業の標準的な方向になるのかどうかは、まだこれから継続的に採用した外国人が、しっかりその会社に根づいていくのか、これから数年フォローしていかなければわかりませんが、少なくともパナソニックとしては、新規採用の8割を海外採用にしなければならない、そうしないと今後のグローバル競争で勝ち残れないと感じたということでしょう。


人事コンサルティング会社、ジェイエーエスの小平達也社長によると、いままで日本企業によるグローバル採用の盛り上がりは、バブル経済の頃、大手企業が欧米の文系スペシャリストを採用した第一期と90年代後半にIT企業や外資系が即戦力のインドや中国のエンジニアの採用を増やした第二期、2004年以降アジアなど新興国への進出を迫られ、日本語を話せる留学生を中心にエンジニアの採用を増やした第三期につづく、ポスト3.0期だそうです。


ところが、今まで何回か盛り上がってきた日本企業の外国人採用熱ですが、結果から言うと今までは失敗続きだったと言えます。


asahi.comの記事によると

『厚生労働省が富士通総研に委託して昨年9~10月、上場企業を対象に実施したアンケート(約800社が回答)によると、4割弱が技術者など高度な知識を持つ外国人を採用していたが、そのうち4割以上が「受け入れ部署が限られる」との悩みを抱えていた。
「言語・コミュニケーション上の壁」との回答も4割近くを占めた。

 また、一度は外国人を雇用しながら中止した58社に理由を聞くと、4社に1社が「処遇条件が良好な他社への転職が多かった」、2割が「雇用管理できる管理者が不足していた」と答えた。』


ということだそうです。
http://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY201004040360.html


過去三期はなぜこのような失敗に終わってしまったのでしょう?
そして、その問題点は、もうすでに解消されているのでしょうか?
例えば今回のパナソニックは成功するのでしょうか?


この問題は、これから日本の企業が世界で生き残っていくために、そして日本人一人ひとりにとってもこのグローバル化時代に、自分が競争力を保っていきていくために非常に重要な問題です。あなたも一緒に考えてみてください。


まず、日本の企業はグローバル企業と言えるのでしょうか?

あなたの企業はグローバル企業ですか?


この設問に対し、製品や販路などはグローバル化していると答える企業がたくさんあることは間違いないでしょう。


しかし、それに対して組織と人は全くグローバル化出来ていない企業がほとんどというのが日本企業の現状なのではないでしょうか?


たとえば、海外に進出して子会社を作っても、その会社の社長はいつまで経っても日本の親会社からの出向者がつとめている。

そして、海外にある会社でも「日本の会社に務めているのだから、日本式のやり方に適応してもらわなければならない」などと日本の文化を押し付けている。

さらには、日本にある本社の役員や主だった部署の長はすべて日本人で、給与体系から人事制度、研修制度、福利厚生まで日本人だけに適用され、本社にいる外国人社員は日本語が必須。しかも仕事はお客様扱い。

多少の違いはあっても、このような日本企業が多いのが現状でしょう。

このような会社が製品をいくら世界中に売っていたとしても、グローバル企業とは言いません。


したがって、日本企業のこのような現状を知っているから優秀な外国人が入社してこない。入社してきてもすぐに退職してしまいます。


このような日本企業をグローバル企業にするのはかなり大変です。
まず人事制度をグローバル対応に変えなければなりません。
日本人も外国人も国籍には関係なく、同じ制度に乗っかっている社員は同じ処遇にしなければなりません。

また、多国籍の人間が一緒に働くとしたら社内のコミュニケーションのツールは必然的に英語に統一せざるを得なくなります。

これに関し、あるビジネスマンのDCECのラーナーさんと話していたら、「最近外国人の社員がいるので、一人でも外国人がいる会議では日本語と英語の資料を用意しないといけない」とおっしゃっていました。

しかし、英語と日本語で資料をつくるというのは二度手間で効率がよくありません。また、会議でも日本語で行ったら外国人が充分理解できるかどうかわかりません。やはり多国籍で仕事を進めるには英語で行うしかないでしょう。


また、言葉を英語にするということばかりでなく、コミュニケーションの仕方も日本式からグローバル対応に変えていかなければなりません。


これは実は私自身が経験したことなのですが、私たち日本人は基本的に日本人の中でしか働いたことがない人がほとんどです。
したがって意識はいていなくても、コミュニケーションの仕方は完全に日本式で行っています。

日本人はあうんの呼吸や不言実行など「そんなこと言わなくてもわかるだろ」ということが沢山ありますが、当然そんなことは外国人には通じません。

つい、日本人が共通に持っている価値観を当たり前の前提として話をしてしまい、ガヴァネスに "why?"と言われてしまったことが何回もありました。

そう外国人には、なんでも一つ一つキチンと伝え、相手が理解しているかどうかを確認しなければいけません。
また、話すことは極力論理的に話さなければつたわりません。


また、日本人はどうしても日本のことだけに興味を持っていることが多いのですが、もう少し世界に興味をもつことも必要になります。


日本の企業がグローバル化するためには、単に英語を学習すればいいというわけではなく、少なくとも

1.人事制度をグローバル対応に変える
2. 英語を社内の公用語にする
3.日本人のコミュニケーションの仕方、マインドをグローバル対
  応化する
4.外国人と日本人の区別なく重要ポジションに登用する

ということが必要でしょう。
どうでしょう、パナソニックはこれらが出来ているのでしょうか?
あなたの会社はどうですか?

しかし、これからの日本企業は必然的にグローバル化していかざるをえないでしょうから、あなたの会社もいつの時点かで、このような変化が起こり、あなたもそれに対応しなければいけなくなるわけです。

そう考えた場合、あなたは会社がこのようなグローバル化に向けて動き出したとき、慌てずに対応出来る準備が出来ていますか?

もし、まだ不安があるとしたら、今すぐにでもあなた自身のグローバル化を開始した方がいいでしょう。
そうしないと、いつあなた自身がリストラの対象になってしまうかわかりません。


しかし、一方会社がグローバル化できれば、会社にとっては世界市場での競争力が大きくアップするのは間違いありません。

この内容について、「Chikirinの日記」という人気ブログが書いていたのでそこから引用させていただきます。


******************************
これらの会社が世界市場に進出する時の方法と、欧米企業が世界に進出する時の方法は大きく違う。

欧米企業は自社内に、世界各国にルーツをもつ社員を抱えている。
なぜなら、まず社会全体が移民や留学生を大量に受け入れており、様々な国の人材が多く暮らし学んでいる。企業は優秀でさえあれば彼らを雇う。ビザの問題などハンディを抱えながら欧米企業に雇われる移民や留学生は、普通のアメリカ人学生と比べてもとびきり優秀な場合が多い。

彼らは必ずしも“海外要員”として雇われるわけではない。その企業の基幹社員として雇われ様々な経験を積む。そしてある日、その企業が海外進出を検討した際には、極めて質の高い現地インテリジェンスを提供できるし、実際に祖国での市場開拓の仕事に志願する人もいるだろう。

欧米企業は、世界各国で育った社員=当然に現地語が話せ、現地の慣習に無理なく溶け込める仲間を最初から組織の中に持っているのだ。もしくは、進出にあたって現地の人に事業を任せるべく、外部から適任者を探してきて雇う場合もある。


一方の日本企業はどうか?

彼らは世界のどこに行くにも“自分達で出て行く”。自分達とは日本人男性のことだ。北米に、欧州に、中国に、中東に、まずは“臨時事務所”を開き、次第に大きくして“駐在員事務所”とし、さらに数年を経て“支店”や“現地法人”にしていく。時には10年、20年をかけて、海外に(日本人による)拠点を築く。もちろん相当の規模になるまで、それらの拠点のトップはすべて日本人だ。

現法が大きくなると若手社員を送り込む。彼らももちろん“日本人男性”だ。若手に海外で働く体験をさせ、時には半年から一年間、現地で語学学校に通わせる。日本企業にとって「世界に進出する」とは、「日本人男性を外国に送り込むこと」を意味している。

Chikirinの日記
「2010-04-07 グローバリゼーションの意味」より引用
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100407
******************************


どうでしょう。ここでかかれている欧米企業のように外国人を採用して活用している日本企業はたぶん少ないでしょうね。


実はDCECは規模が小さく、市場も今のところ日本だけですが、組織と人はしっかりグローバル化しています。

まず、DCECで働いている日本人の割合は22%と圧倒的に外国人が多くなっています。

そして組織面でもマネジメントチーム内での日本人の割合は20%と、圧倒的に外国人の割合が高くなっています。

さらには、日本の英会話スクールでは、外国人講師は日本の健康保険、年金などに加入させていないところがほとんどですが、DCECでは、外国人でも社員は全員日本の社会保険に日本人と同様に加入しています。

もちろん社内の公用語は英語です。

したがって、将来海外進出することを決定した場合は、それらの国の出身者をその国で事業を立ち上げるために送り込むということも信頼して行うことができます。


もしあなたがDCECで働いたら、グローバル化対応がすぐに出来るかも知れませんね。(笑)

ブログランキングに参加しています。
ご面倒でも下のバナーをぽちっとクリックしてください。
あなたのクリックでこのブログのランキングが上がり沢山の人に読んでいただけるようになるそうです。

人気ブログランキングへ


クリックありがとうございました。