2/20/2010

二つのデジタルデバイドdigital divide(情報格差)が日本の問題

デジタルデバイドって知っていますか?
少し前にはやった言葉ですが、ITを使う人と使わない人で情報格
差が生じ、それが様々な問題を生むというものです。


※デジタルデバイドとは、
パソコンやインターネットなどの情報技術(IT)を使いこなせる者
と使いこなせない者の間に生じる、待遇や貧富、機会の格差。
個人間の格差の他に、国家間、地域間の格差を指す場合もある。

若者や高学歴者、高所得者などが情報技術を活用してますます高
収入や雇用を手にする一方、コンピュータを使いこなせない高齢
者や貧困のため情報機器を入手できない人々は、より一層困難な
状況に追い込まれる。いわば、情報技術が社会的な格差を拡大、
固定化する現象がデジタルデバイドである。
(IT用語辞典 e-Wordsより)


最近twitterを使うようになって、新聞やテレビで見る情報と、
twitterや様々なBlogから得られる情報にあまりに差があることを
目の当たりにして、この「デジタルデバイド」と言う言葉を思い出
しました。


この言葉が2000年に沖縄サミットで課題として取り上げられた時
には、どちらかというとアフリカなどの途上国が資金難やインフ
ラの未整備などで情報技術を活用できずに置き去りにされるのでは
ないかというのが問題認識だったわけですが、先週ここで書いたよ
うに、途上国では思った以上にIT技術が活用され、世界の先端の情
報に接しているようです。


ところが事もあろうに、ここニッポンでこのデジタルデバイドが進
んでいるのではないかというのが現在の私の認識なのです。


二つのデジタルデバイドのうち一つ目は、もう耳にたこが出来るぐ
らい聞いたよと言われる「英語を使わないことによる世界との情報
格差」で、現在の日本の競争力低下の大きな要因の一つになってい
ます。


そして、ここで言う二つ目のデジタルデバイドとは、日本の中で
「インターネット上を流れる情報」と「新聞、テレビを流れる情報」
でその中身がかなり違う事、そしてインターネットから得られる情
報のスピードと量は、テレビを圧倒し始めていることから、自分の判
断を新聞、テレビのみで行なっている人と、インターネットの情報も
とって判断している人では大きく変わってきていることがいえます。


今までは、インターネット上の情報があまりなかったので、私自身
日本の新聞、テレビの情報だけで判断してきましたが、今、海外の
新聞もインターネットで読める、日本の中でも様々なBlogなどでい
ろいろな情報が読める様になってくると、日本の新聞情報が非常に
偏っていることがわかってきて、新聞だけ読んで判断したら誤った
判断をしてしまうと思う様になってきました。

そのようなことを感じる人がどんどん増えたことにより、あまりに
も無責任な情報を流すマスコミに対し、最近嫌悪を示す「マスゴミ」
と言う言葉も聞かれる様になってきています。

大前研一さんも、以前はサンデープロジェクトによく出演していたけ
れどもテレビがいかに自分の都合のいい様にばかり見せようとするか、
その実態を知ってもうでなくなったとビデオで語っています。

10.02.14 私はなぜ「サンデープロジェクト」に出なくなったか。
大前研一
http://www.youtube.com/watch?v=ucUPqYwgKgg&feature=player_embedded


新聞やテレビの現状については以前にもここで触れた

「2011年新聞・テレビ消滅」佐々木俊尚著 文春文庫 や



週刊東洋経済 「新聞・テレビ断末魔」



など警鐘を鳴らすものも増えてきています。これらから考えると本当に
近い将来大きな変化が起こることでしょう。


しかし、このようなことを聞くと「インターネットなんかにはゴミの
ような情報ばかりが溢れていて信用できない」と思う方も多いでしょ
う。

確かにネット上にある情報は玉石混交なので、自分で正しい情報を掴
むように判断しなければいけませんが、それさえ注意すれば本当に有
効なメディアです。

たとえば、インターネットメディアのJcastニュースなどをみるとは、
大手新聞、テレビなどの加盟している記者クラブが情報を独占している
状況を改善しようとしている岡田外務大臣の情報なども見ることが出来
ます。


岡田外相「ぶら下がり取材」廃止 記者クラブが押し切られる



あるいは、小沢問題での検察の動きに対して新聞などから聞こえて
くるのと違う見方が見えてくるのが池田香代子ブログの
孫崎元外務省局長「検察の動きを見ればアメリカの意思がわかる」
をみると衝撃を受けるでしょう。


池田香代子さんとは『夜と霧』、『ソフィーの世界』、ケストナー、
グリム兄弟などの翻訳、『世界がもし100人の村だったら』シリ
ーズの著述などをされているドイツ文学者・児童文学者・翻訳家・
口承文学および都市伝説研究家・エッセイスト、平和運動家。

今回取り上げているのはジャーナリストの岩上安身さんが孫崎元外
務省局長をインタビューした記事を基にちょっと恐い検察の実態に
ついて語っています。




また週間朝日の編集長が 談 に書いた、  
「誌面じゃ読めない「検察の『抗議』に抗議」のウラ話」

なども新聞で見る情報と全く違う側面が見えてきます。



ここに例示した情報はほんの一例ですが、このようなものを読んで
いただくと、新聞情報とネット情報では、全く違う事が書いてある
事、そして新聞だけを読んでいたら偏った判断をしてしまう危険を
感じていただけるのではないでしょうか?


このギャップこそが、日本の中でのデジタルデバイドなのです。


正しい判断をするためには、正しい情報を基に判断する事が一番
大切です。日本の新聞、テレビの情報だけで判断してきた私たち
日本人は、世界の潮流を正しく掴む事が出来なかったから、現在
のグローバル時代に対応できず、世界から取り残される衰退の下
り坂に突入してしまったのではないかと思っております。


デジタルデバイドの差をつけられてしまう側に落ち込まないため
にも、英語とtwitterなどのITツールを活用して行きたいものです。