先週のメルマガで日本人の労働生産性が世界の先進国の中で最下位、特に製造業ではなく金融業、サービス業、そして間接部門の生産性が低いということをお伝えしました。
今、日本の人口が着実に減少しているのですからほっといたらGDPはどんどん低下し、日本は衰退して行ってしまいます。
それを少しでも食い止めて世界に対する競争力をつける、日本人の将来を豊かに送れるようにするには一人一人の生産性を上げていかなければいけないというのは誰にでもわかることです。
でも、どうやって生産性を上げたらいいのでしょうか?
まず、今までと同じことをやっていては生産性はあがりません。
したがって、大幅に生産性を改善するためには、会社全体で仕事の進め方を変える、無駄な会議や出張を減らす、組織を簡素化して意思決定を早めるなどが必要です。
しかしこれを実行するには、強力なリーダーシップと社員全体の理解
コミットメントなどが必要であり、膨大な時間と労力が必要になるでしょう。中長期的には、これも絶対実行しなければならないことですが、もっと短期的に生産性を上げる方法があります。そしてそれは、大企業でなくても実行できる内容です。
それは、ITの活用です。
なーんだ、そんなこと知ってるよ、という声が聞こえてきそうですが、ITは日々進化しています。それらを上手に取り入れていかなければ、世界の競争に勝ち残ってはいけません。
ここで、DCECが活用しているITの事例を少しだけご紹介いたします。
先週の日曜日の朝、Carolから具合が悪いので休みたいとの連絡が入りました。ガヴァネスが休んでしまったら、もし代わりに担当できるガヴァネスがいなければ、折角おいでいただいたラーナーさんにレッスンをご提供できないので、一大事です。
そこで、すぐにその日のガヴァネスのスケジュール表とクラスの状況をチェックしました。10時のクラスは誰か他のガヴァネスが担当できるか? Carolのクラスにキャンセルはあるのか?
11時は? 午後は・・・?
実はDCECはクラウドコンピューティング(cloud computing)を利用しているので、自宅からでも、クラスのスケジュールなどにアクセスできます。
幸い、その日はそれぞれ他のガヴァネス、ガヴァナーが手分けをしてCarolのクラスをカバーすることができ、生徒さんに大きな迷惑をかけずにすみました。
さて、このクラウドコンピューティングとはどんなものなのでしょう?
通常会社にはサーバーと言われるコンピューターが社内に設置されていて、そのサーバーに様々なデータが蓄積されています。社員はそのサーバーにアクセスすることでデータを利用いたします。
ところが、クラウドコンピューティングでは社内にそのサーバーがなく、インターネットでつながれた先の社外のサーバーにデータをおいておき、インターネットでアクセスして作業を行ないます。
したがって、アクセスの権限さえ確保しておけば、社内からでも社外からでもデータにアクセスし仕事をすることができます。
このような仕組みのおかげで、今回のようなトラブル時も自宅から状況を把握する事ができ、トラブルに対処できます。
DCECでは、Googleのシステム、Google Apps, Google Docsを利用しています。このGoogleのシステム、驚く事に無料から利用でき、グレードアップしても非常に安価に利用できます。
ここでGoogle Docsの説明ビデオをご覧になってみてください。(英語)
いかがですか?あなたの会社では、このようなクラウドコンピューティングを実施されていますか?
クラウドコンピューティングという言葉は最近かなり聞くようになって来ているので聞いたことはあるという方が多いでしょうが、実際に導入されている企業は残念ながら少ないようです。
というのも、DCECのネットワークのメンテナンスはcanonにお願いしているので、canonにこのようなシステムを利用している企業が増えているかどうか聞いてみました。すると予想通りあまり利用している企業は無いということでした。こんな便利なものを何でみんな利用しないのでしょうか?
セキュリティの問題があるから?
でもアメリカでは、GEなどの大企業も使っているし、日本でも一橋大学が導入している事から見ても、充分セキュリティの確保はできると思われます。
(一橋大学の例)
http://www.google.com/a/help/intl/ja/admins/case_studies/hitotsubashi-university.html
では、なんで日本の企業は利用しないのでしょうか?
実は利用している立場から思い当たる事ことが一つあります。
このサービス、入り口は日本語で読めるのですが、いろいろ詳しく進めていくと突然あるページから英語になってしまいます。
また、いろいろな操作も英語を理解しないと進められなくなっています。
DCECでは、ガヴァネス達は日本語を読めないので逆にこれがよい条件として作用しますが、一般的な日本の企業では大きな支障になっていると考えられます。
ここでまた、英語力を上げなければならないということが出てきま
した。そうなんです。
今のグローバル化の時代に競争力をつけたいと思ったら英語力はもう必須なんです。早くあきらめて、今すぐに真剣に英語力を上げるようスタートしてください。
そしてこのGoogle Docsばかりでなく、一人でも生産性を上げられるのがDropbox。 https://www.dropbox.com/
これもクラウドコンピューティングの一種といえます。
たとえば、あなたが基本的には会社のPCで仕事をしていますが、どうしても家で仕事をしなければならなくなったり、あるいはデータを確認したくなったりすることがあると思います。
そんなときこのDropboxが威力を発揮します。
このDropboxを会社のPC、自宅のPC,iPhoneなどにインストールします。
そしてたとえば会社でExcelでデータを作り会社のPCのDropboxにそのファイルを入れると、自動的にインターネット上にあるサーバーにそのファイルが保存されるとともに、自宅のPCのDropbox,iPhone上のDropboxにも同時にそのファイルが保存されます。
したがって、会社で作業した後外出先でそのデータを見たくなったとしたら、iPhoneのDropboxを見ればそのデータを見ることが出来ます。そしてその後自宅に戻ってそのデータを修正したくなったら自宅のPCのDropboxからそのファイルを開き、修正して、それをDropboxにいれれば、次の日に会社のDropboxには、修正されたファイルが入っているというような具合になっています。
どうですか?すごく便利でしょ。しかもこのサービス。2GBまでは無料で利用できます。
しかしこれも基本的には英語のサービスなので英語が出来ないと苦労するかもしれません。
やっぱりここでも英語とIT。
これがキーワードであることには変わりがありません。