きょうはまず一つのデータを見ていただきます。1981年から2006年までのあるデータの推移ですが、何のデータだと思いますか?
1981( 56) 1,798.1
1982( 57) 1,854.1
1983( 58) 1,935.9
1984( 59) 2,022.2
1985( 60) 2,158.3
1986( 61) 2,204.8
1987( 62) 2,306.9
1988( 63) 2,477.9
1989(平成元) 2,616.7
1990( 2) 2,819.3
1991( 3) 2,991.8
1992( 4) 2,966.9
1993( 5) 2,955.7
1994( 6) 2,987.6
1995( 7) 2,982.3
1996( 8) 3,026.1
1997( 9) 3,029.3
1998( 10) 2,918.2
1999( 11) 2,876.7
2000( 12) 2,930.2
2001( 13) 2,841.0
2002( 14) 2,792.5
2003( 15) 2,806.0
2004( 16) 2,849.9
2005( 17) 2,869.7
2006( 18) 2,921.2
実はこれ、一人当たり国民所得の推移のデータなんです。
これを見ると1991年まではきれいな右肩上がりで急上昇していますが、そこから停滞をはじめ、97年をピークに減少を始めているのがわかります。
(データ出典:国立社会保障・人口問題研究所)
http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/kyuhuhi-h18/4/h4.html
一方、ここでスタンフォード大学経済学部のテイラー教授のブログをご覧下さい。
http://johnbtaylorsblog.blogspot.com/2009/10/and-answer-isproductivity.html
ここにはアメリカの賃金上昇と労働生産性上昇のグラフが書かれていますが、きれいに相関しているのが見て取れます。
では、日本の労働生産性はいかがでしょうか?
結構高いんではないかな~、と思っている方が多いと思いますがいかがですか?
ところが実態としては、OECDのデータをまとめた社会経済生産性本部2008年版報告によると、日本の労働生産性は先進7か国中最下位、OECD加盟30か国中20位と惨憺たる状況だそうです。
http://activity.jpc-net.jp/detail/01.data/activity000894/attached.pdf
私たち日本人はバブルがはじけた後、銀行の不良債権の問題などで日本経済が停滞したため、日本の賃金が上昇していないと思っていますが、実はそれだけではなく自分達の労働生産性が上がっていない事も大きな要因になっている事を認識した方が良いでしょう。
ではなぜ、そんなに低いのでしょう。
一つには日本の社会構造の問題が潜んでいます。すなわち世界と競争してきた製造業はOECDで12位と、まだましですが、非製造業の小売業、サービス業などの労働生産性は非常に低いのです。
そしてもう一つ。
英語で仕事をし外国人と仕事をしていると、最先端の情報、特に動きの速いIT関係の情報についてのギャップが日本と外国ですごく大きいのを感じます。
私たちは、twitterその他で毎日英語の情報にふれています。
そうすると外国で使われているITツールが日本ではまだまだ普及していないということを感じることが多々あります。
このようなITツールを使うことは、間違いなく製造現場以外でも生産性を向上させます。
しかし、それを導入しようとしても、初期の頃はなかなか日本語に訳されていないページも多くすぐに英語の壁にぶつかってしまうのではないでしょうか?
今や世界中の人が英語で書かれた情報を共有しています。
世界中からの応募者を面接していますが、どこの国の人でも優秀な人が持っている情報はかなり似通っているのを感じます。
やはり英語力、そしてITの活用が日本のこれからに間違いなく重要であるのを認識し、それらの獲得に努められる事をお勧めいたします。
さて、ここで行っている事とは少し視点は違いますが、IT、メディアに強いジャーナリスト佐々木俊尚氏の「日本ITの国際競争力」というブログを見つけたので、ご紹介いたします。
う~ん、と考えさせられる内容です。
http://agora-web.jp/archives/802765.html